令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
でもそれは、ずっと私が待ち望んでいた言葉で、
「私もです。私も、悠馬さんが大好きです」
私が言いたかった言葉でもあった。
「ありがとうな」
「私こそ、ありがとうございます。でも……」
「言うな。何も聞かないでくれ」
私は、悠馬さんに涙の訳を聞きたかったけど、言わせてもらえなかった。
「いっけねえ……遅刻しそうだ」
悠馬さんは私から離れ、ベンチから腰を上げた。
「ほら、栞も立って。急がないと店長に怒られるぞ?」
そう言って私を見下ろす悠馬さんは、もういつもの悠馬さんだった。
悠馬さんの涙の訳は、とうとう分からず終いだった。とても気になったのだけれど……
「私もです。私も、悠馬さんが大好きです」
私が言いたかった言葉でもあった。
「ありがとうな」
「私こそ、ありがとうございます。でも……」
「言うな。何も聞かないでくれ」
私は、悠馬さんに涙の訳を聞きたかったけど、言わせてもらえなかった。
「いっけねえ……遅刻しそうだ」
悠馬さんは私から離れ、ベンチから腰を上げた。
「ほら、栞も立って。急がないと店長に怒られるぞ?」
そう言って私を見下ろす悠馬さんは、もういつもの悠馬さんだった。
悠馬さんの涙の訳は、とうとう分からず終いだった。とても気になったのだけれど……