令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「ひゃっ」


慌てて後ろを見たら、小林さんの車に同じく黒の、でももっと大きな車が衝突していた。つまり、事故?


そして追突した大きな車のドアが開き、中から若い男の人達が飛び出して来た。


「まずい!」


そう叫んだのは悠馬さんだった。そして私は一瞬悠馬さんに抱きかかえられたのだけど、また黒い影が……!


「な、何すんだよ!」


黒い影の正体は例のターミネーター似のお兄さんで、彼は私を悠馬さんから引き剥がすと、悠馬さんと揉み合いになった。


ダメ! 喧嘩しないで!


と叫ぼうとした瞬間、私は誰かに後ろから口を塞がれてしまった。


え? 誰? 何?


私は訳も分からない内に誰かに抱えられ、衝突した方の大きな車に放り込まれてしまった。

その間、悠馬さんと目が合ったけど、助けを求める事は出来なかった。

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