令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
動物園は結構楽しかった。栞はパンダを見て「可愛い……」を連発していたが、俺に言わせれば、そう言って微笑む栞の方が遥かに可愛かった。
動物園にはまだ俺がガキの頃、おやじさんがまだ生きてた頃だが、家族で来て以来で、それが俺の中では動物園の思い出だったが、これからは今日の事、つまり栞と来た事が新たな思い出になるだろう。
おそらくは、一生涯忘れられない思い出に……
例のターミネーター似の男だが、あの後もう一度見かけ、そして動物園を出た今も少し先にいて、大胆にも俺を見ている。まるで、“おい、この後はどこへ行くんだ?”と、俺に問い掛けているように見える。
奴の正体について、俺はある仮説を立てていたが、それを確信に近付けたのは、意外にも栞だった。
「あっ、“通りすがりのお兄さん”だ……」
突如、栞は妙な事を口にし、奴に向かって駆け出そうとした。
動物園にはまだ俺がガキの頃、おやじさんがまだ生きてた頃だが、家族で来て以来で、それが俺の中では動物園の思い出だったが、これからは今日の事、つまり栞と来た事が新たな思い出になるだろう。
おそらくは、一生涯忘れられない思い出に……
例のターミネーター似の男だが、あの後もう一度見かけ、そして動物園を出た今も少し先にいて、大胆にも俺を見ている。まるで、“おい、この後はどこへ行くんだ?”と、俺に問い掛けているように見える。
奴の正体について、俺はある仮説を立てていたが、それを確信に近付けたのは、意外にも栞だった。
「あっ、“通りすがりのお兄さん”だ……」
突如、栞は妙な事を口にし、奴に向かって駆け出そうとした。