令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
私は毎日病院へ通っていた。大学の講義が終わるとその足で病院へ行き、大学が休みの日は朝からずっと、消灯時間になるまで悠馬さんの傍にいた。

と言っても病院は完全看護だから私にする事は何もなく、大学の勉強をしたり、本を読んだりするだけなのだけど。

悠馬さんの意識が戻った時、真っ先に悠馬さんが私を見てくれたらいいな、という密かな思いが私にはあった。


ちなみにお店のバイトは辞めさせていただいた。
小林さんのお腹を蹴り、悠馬さんの頭を鉄パイプで殴った男は、障害の罪で今も服役中のはず。サブという人ともう一人の人、それと杏里さんは起訴猶予になった。

杏里さんは、店長さんに連れられて病院へ来て、私や悠馬さんのお母様や由紀ちゃんに頭を下げた。その時の杏里さんは、心から反省していると私は思った。

私はちっとも気付かなかったけど、店長さんは杏里さんの事が好きで、今も杏里さんはお店で働いているはずだ。店長さんの気持ちが杏里さんに伝わるといいなと思う。



「こんばんは……」


悠馬さんの病室に行くと、今日も由紀ちゃんが来ていた。

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