令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
ここに来る前に絵理から聞いたのだけど、相手の男の人達は、なんと俊樹さんと同じ大学の学生で、学年も一緒らしい。ただし学部が違うので、お互いに面識はないらしく、だから俊樹さんに嘘がばれる事はない、と絵理は言うのだけど……


絵理に促されながら、私は一番奥の壁際の席に座った。隣にはもちろん絵里。その間、男の人達の視線を感じてしまい、私はそれが恥ずかしくて俯き気味にしていた。

みんなは着席するや、「はじめまして」などと明るい声でご挨拶し合っていたけど、私は恥ずかしくてそれが出来ず、黙って下を向いていた。


ああ、嫌だなあ。やっぱり来るんじゃなかった。きっと私の前に座ってる人、『この子どうしたんだろう』って思ってるだろうなあ。そしてジロジロ見られて、その視線が気になって、ますます顔を上げられない。そういうパターンなのよね、きっと今回も……

と思ったのだけど、なんかちょっと違う気がした。

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