令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「えーっ!? ハル君がそんな事言うなんて、珍しいね?」

「そ、そうかなあ」


確かにそうかもしれない。今夜の俺は、少し変かもしれない。


「そんなハル君もいいけど、まずはお風呂でさっぱりして、その後軽く食事して、ゆっくり楽しみましょ?」


そう言って前を歩く杏里さんの形のいい尻と、そこから伸びる白くてムッチリした生足を見ていたら、思わず俺はムラムラッとしてしまい、後ろから杏里さんに抱きついてしまった。


「ちょっと、ハル君ってば……」

「杏里さん、俺、もう我慢できないんだ。すぐしよう?」

「もう、どうしたの? 今日は変よ?」


と言いつつも、杏里さんはクルッと俺の方を向き、首に腕を回して抱き付くと、濡れた唇を俺の口に押し当ててきた。

その時、吉田栞のあの時の顔が、俺の脳裏をよぎった。


そのまま二人はベッドへ倒れ込み、俺は欲望のままに杏里さんを抱いたが、その行為の最中も、吉田栞の幻影が俺の頭から消える事はなかった。

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