美容師男子×美麗女子


「アヤカの爪、可愛いじゃない」


この中で1番の古株のカオリがあたしの手を取った。

カオリさんは大人系だから、ネイルも上品で控えめな感じだ。


「どこでやってもらったの?」

「知り合いにやってもらった」

「へえ、知り合い?珍しいわね」


千尋が施したネイルを褒められると、なんでかこっちも嬉しくなる。

今度千尋に報告してあげよう。


「みんなってさ、どこの美容院行ってるの?」


何気ない質問をしてみた。

千尋が前に、お店にお水系の人がよく来るって言ってた気がする。

ここのキャバクラから千尋の家の店に来る人って居るのかな。


「私はねー、家の近くの美容院かなー。私の家、ここの店から遠いから」

「あたしはここの近くの美容院!クインってお店」

「私はDIPDIPに行くわ。腕がいいのよねー」

「みんな行く所は違うんだ」

「まぁ、いろんな事情があんのよ」


そういえば、千尋の家のお店の名前ってなんていうんだろう。

看板を見ようと思ったことも無かったっけ。

今度、聞いてみよう。


「アミとカオリさんとアヤカとサキ、入ってー」

「はーい」


休憩室から覗く受付の男の人が忙しそうに呼んだ。

あたしたちは重たい腰を持ち上げて、休憩室から出た。



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