美容師男子×美麗女子
□王子は嗤う
□ □ □
短い冬休みが終わって、今日は今年初めての登校日。
1年って、あっという間に終わる。
毎年そう思ってる気がする。
「あ、千尋。おはよう」
「あー、おはよう」
下駄箱で上靴を手にしている千尋を見かけて、あたしは声を掛けた。
いつも通り千尋は色白で、黒い髪をぐしゃぐしゃしている。
「千尋は変わらないね」
「は?何が?」
あたしも上靴を履いて、千尋に続いた。
クリスマスも無事終わって、とりあえずあたしの中では終止符が打たれている。
次からアキラに誘われても、絶対きっぱり断るって決心した。
目が覚めて枕元に3万置かれてる虚しさが、あたしは苦手だ。
「千咲、あけおめ!」
「あけおめー」
階段から、あたしの友人が元気良く降りてきた。
まぁ、友人と言ってもそんなに親しくは無いけど。
あたしに抱きついてきて、挨拶をする。
「超久しぶりー!千咲、なんか大人っぽくなった?!」
「そんなことないって。そう言うあんたも何か変わった?」
千尋は気にせず階段を上がっていってしまった。
我関せず、だな。