美容師男子×美麗女子
「彰先輩は行かなくていいんですか」
「別に。俺ダブってるから、あれ聞くの2回目」
思わず、吹き出してしまった。
「いま、何歳・・・・・・・?」
「21」
「は」
「各学年1回留年してんの」
ふざけた表情で彰はピースを作ってみせた。
駄目大人じゃないか。というか、そんなに留年できるんだ。
「ね、遊ぼうよ千咲」
「勝手に名前で呼ばないでください、もう行きますから」
あと1分でチャイムが鳴ってしまう。その前に行かないと。
「わっ?!」
腰に手が回って、されるがままにあたしは彰に引っ張られた。
彰は1番近い教室にあたしを押し込む。
「ちょっと、何すんの」
「敬語キャラは?」
「ふざけないで」
彰を押しやろうとする瞬間に、チャイムは鳴ってしまった。
あたしは溜め息をついて、彰を睨み付ける。
「昨日のあれ、なに」
「なにって、アヤカの写真だけど」
彰は携帯を出して、笑ってみせた。