美容師男子×美麗女子


教科書を枕にするみたいに、あたしはそのまま彰を睨み見上げた。

綺麗な彰がけたけた面白そうに笑っている。


「なんで、キャバクラなんてやってるの?千咲って、そういうの嫌いそうなのに」

「彰だって、同じじゃん。なんでホストやってるの」

「俺は、女の子が好きだから。あと給料が良いから」


あたしだって一緒だ。

お金を貯めるため。

すぐにいっぱい稼ぐには、これしかないから。


「ねぇ千咲、俺と千咲って仲良くできるかも」

「はぁ・・・・?何言って」


体を起こそうとしたとき、彰は笑った。

鼻先に携帯の画面が突き付けられる。

今度は、違う画像だった。


「ね?そうでしょ?」


ぞくりと背筋に寒気が走った。

いつの間にかあたしの背中は床についていて、ただ呆然とその画面を見ていたんだ。


「どこで、これ・・・・・」

「あそこのホテル、俺の顔が利くんだ。監視カメラから、拝借した」


のしりとあたしの腰に乗る彰は、あたしの顔を覗き込んで舌を出して見せた。


何も着ていないあたしの画像。

つまり、真っ裸なんだ。


< 133 / 210 >

この作品をシェア

pagetop