美容師男子×美麗女子
教科書を枕にするみたいに、あたしはそのまま彰を睨み見上げた。
綺麗な彰がけたけた面白そうに笑っている。
「なんで、キャバクラなんてやってるの?千咲って、そういうの嫌いそうなのに」
「彰だって、同じじゃん。なんでホストやってるの」
「俺は、女の子が好きだから。あと給料が良いから」
あたしだって一緒だ。
お金を貯めるため。
すぐにいっぱい稼ぐには、これしかないから。
「ねぇ千咲、俺と千咲って仲良くできるかも」
「はぁ・・・・?何言って」
体を起こそうとしたとき、彰は笑った。
鼻先に携帯の画面が突き付けられる。
今度は、違う画像だった。
「ね?そうでしょ?」
ぞくりと背筋に寒気が走った。
いつの間にかあたしの背中は床についていて、ただ呆然とその画面を見ていたんだ。
「どこで、これ・・・・・」
「あそこのホテル、俺の顔が利くんだ。監視カメラから、拝借した」
のしりとあたしの腰に乗る彰は、あたしの顔を覗き込んで舌を出して見せた。
何も着ていないあたしの画像。
つまり、真っ裸なんだ。