美容師男子×美麗女子
「・・・・・・・・最低」
「たしかに、これは出回ったらどんな言い訳もきかないよね」
だって、最中だもんね。
柔らかい茶色の髪が、あたしの頬に触れた。
「・・・・最低、最低!なんでこんなことすんのよ!」
鼻と鼻がぶつかった。
その次に、唇が重なる。
口内を侵食する感触に、ぞくりとした。
「っ、・・・・・は」
唇が離れて、首の下の手がぐっとあたしの頭を持ち上げて、また唇が重なった。
「俺が、気に入ったから」
口先で彰がそう呟いた。
抵抗したあたしの手はつかまれて、床に縫いつけられる。
「うそ、でしょ」
「嘘?・・・キミじゃないんだからさ」
彰が赤い舌をちろりと出した。
自分でも驚くくらい、顔が熱い。
「やだ、!離してよ」
びくともしない左手に力を込めながら、重なる唇の感触をシャットアウトする。
がり、と侵入してきた舌を咬んだ。
彰はあたしから離れて、冷ややかな目であたしを見下ろした。