美容師男子×美麗女子
「綺麗で、芯が通ってて、どこか惹かれるところがあるんだ。
ねぇ、何を背負ってるの?興味もないはずの事情を、知りたくなる。全部、知りたくなるんだ」
彰の顔が近付く。
慌てて顔を逸らした。
「朝、一緒に居た男は彼氏?」
「男?」
「黒髪で、長身の」
「あぁ、千尋のこと。違う」
ふぅん、と彰は納得してから、立ち上がった。
「ねぇ、あの画像どうするの」
「別に、どうもしないって言ったはずだけど」
彰は意味深に笑った。
胸の奥の不安を拭い取れないんだ。
「だって、俺の自由だ」
彰はがらりと扉を開け、あたしに手を振って、去っていく。
呆然とその背中を見つめていた。
頭が痛くなってきた。
なんで、どうしてこんな状況になっているんだろう。
彰は、あたしの写真をどうするつもりなんだろう。
結局不安は拭えなかったし、事態もよりいっそう悪化してるような気がする。
あたしは思わず溜め息をついて、立ち上がった。