美容師男子×美麗女子

□主従











□ □ □



1週間が経った。

あれから彰はあたしに全く干渉してこないで、画像も広めてないみたいだし、とにかく平和に時間は過ぎた。

不安なのは変わっていないけど、それは彰がこの学校を卒業したら終わる話だ。

卒業式まであと約2ヶ月くらい残ってるけど、それまでの辛抱だと考えると気が楽になった。


「千咲、次移動じゃない?」

「うん」


べっとりと机に張り付いていたら、教材を抱えた友人が笑いながらそう言った。

あたしも次の授業の用意をして、立ち上がる。


教室の狭苦しい空間から出ると、廊下の冷気があたしを包んだ。

早く春になったらいいのに。


「ねぇ、最近千尋くんとはどうなの」

「えー?」


悪戯をしてる子供みたいに楽しそうに笑って、友人はあたしの脇腹を肘でつついた。


「千尋とは何もない。ただの友達だよ」

「本当にー?なんか、千咲すごい仲良さげにしてるじゃん」

「そう見えるだけじゃない?」

「いや、絶対なにか隠してるな?本当は付き合ってるんだろう?!」

「違うって」


あたしの髪をひっぱる友人の肩を押した。


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