美容師男子×美麗女子
「千咲って案外、可愛い所もあるじゃん」
心臓がまだ落ち着かない。
あたしは、今日からどうやって学校生活を送ればいいんだろう。
できるだけ目立たないで、普通でいようと思ってたのに。
学校の王子と付き合うどころかキスまでしてしまった。
しかも、かなり、濃厚な。
「・・・・・・・どうすんの」
「何を?」
「あんな騒ぎになっちゃったら、もう嘘だって通用しないじゃん!キスする必要あった?!」
「あるよ、俺がキスしたかったから」
あたしの怒りが、自分でも信じられないくらいせり上がっている。
どこにこの怒りをぶつければいいんだろう。
いや、彰にぶつければいい話なんだろうけど、本人が巧みにかわすから。
「あああああー!!もう、最悪」
「仕方ないんじゃない?せっかくの恋人なんだから、楽しもうよ」
「ふざけないでよ、あんたのせいで、」
彰が見せびらかす携帯を取り上げようとする。
そう、要因はこの携帯の画像なんだ。
「消してよ、あたしの画像」
「いやだね。待ち受けにならしてあげてもいいけど」
「・・・・・・本当に何なの?」
今日を含めてさぼった授業の回数は2回だ。これも全部彰のせい。
もう、こんなに不服なことはない。