美容師男子×美麗女子










□ □ □



翌日。


あたしはやっぱり、周りから突き刺さるような目で見られた。


「ほら、あいつ」

「いつからだったんだろう」

「釣り合わない」

「堂々ちゅーだもんね」


下駄箱まで歩いただけで、人の声が自然と耳に入ってきてしまう。

おかしいな、今まではこんなに聞こえたことなかったのに。

案外あたしも聞き耳を立ててるのかもしれない。


心臓がいやな音を立てた気がした。


学校に来て、ものの数分。こんなにも自分が折れそうになっているのが分かる。

周りからの痛い視線に耐えられそうに無い。

嫉妬、憎悪、憤怒、好奇の目が向けられる。


今すぐに違うって言いたい。

本当は付き合ってなんかないって。


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