美容師男子×美麗女子
きれいにセットしてあるショートの髪を揺らして、若干緊張した声であたしに問い掛けた。
彼女の目は警戒している。つまり、あたしを警戒するべき人物だって思ってるんだ。
あたしはゆっくりと顔を上げた。
何を言えばいいんだろう。
本当のこと?
それとも、ここだけの話とか言って、秘密が好きな女子との信頼関係を築けばいいの?
「・・・・・・・・あなたに任せる」
「やっぱり!付き合ってたんでしょ?あたしが先輩のこと好きって知ってるくせに!それでも友達なの?」
傷付いているようにみえる彼女の顔。
それを見て、あたしは数倍心が痛んだ気がした。
「じゃあ、友達ってなに?」
しまった。
つい、本音が出てしまった。
怒りと混乱で頭がいっぱいなんだ。
でももう、あたしは耐え切れそうに無いかもしれない。
あたしの教室にはいつもの倍の人がいて、あたしを見ようと色んな学年の人が集まっている。
みんな、あたしを見ている。
好奇の目で、嫉妬の目で、焦げるくらい見られている。