美容師男子×美麗女子


いろんな噂を流されて、あたしには不確かなレッテルを貼られて、ああもう、あたしは目立ちたくないだけなのに。


学校は、いつもこうだ。

中学校の時だって、小学校のときだって、いつだって目立ってもいいことなんかないんだ。

目立って、注目を浴びて、嫉妬されて、被害が出る。


「あなたの言う、友達ってなに」


違う、あたし、違う。

こんなことを言いたいわけじゃない。

いつもみたいに、無難な言葉を選んで、中間な人間を演じればいいだけだ。

なんで、こんなことを言っているんだ。


「教えてよ」

「・・・・なに、言ってるの?だって友達って、」


ますます警戒した目であたしを見る友人。


いつだって本音は人を傷つける言葉でしかない。

だから、みんなそれを知ってて嘘をついて、それに嘘を重ねて自分を造るんだ。

なのにあたしは、その社会の常識を破っている。


あたしは机の横にかかってるカバンを背負って、あたしを注目している人混みをくぐって廊下に出た。

一瞬で空気が凍ったみたいだった。

キレた、だとか、彼氏に会いに行くんじゃない、だとか、そんな声が聞こえる。

そのたびに、頭が割れそうになって、吐き気がする。


もう、どうすればいいのか分からない。


< 151 / 210 >

この作品をシェア

pagetop