美容師男子×美麗女子
いろんな噂を流されて、あたしには不確かなレッテルを貼られて、ああもう、あたしは目立ちたくないだけなのに。
学校は、いつもこうだ。
中学校の時だって、小学校のときだって、いつだって目立ってもいいことなんかないんだ。
目立って、注目を浴びて、嫉妬されて、被害が出る。
「あなたの言う、友達ってなに」
違う、あたし、違う。
こんなことを言いたいわけじゃない。
いつもみたいに、無難な言葉を選んで、中間な人間を演じればいいだけだ。
なんで、こんなことを言っているんだ。
「教えてよ」
「・・・・なに、言ってるの?だって友達って、」
ますます警戒した目であたしを見る友人。
いつだって本音は人を傷つける言葉でしかない。
だから、みんなそれを知ってて嘘をついて、それに嘘を重ねて自分を造るんだ。
なのにあたしは、その社会の常識を破っている。
あたしは机の横にかかってるカバンを背負って、あたしを注目している人混みをくぐって廊下に出た。
一瞬で空気が凍ったみたいだった。
キレた、だとか、彼氏に会いに行くんじゃない、だとか、そんな声が聞こえる。
そのたびに、頭が割れそうになって、吐き気がする。
もう、どうすればいいのか分からない。