美容師男子×美麗女子
結局そのまま千尋の家に行くことになった。
どうせ学校が終わってから千尋の家に行く予定だったし、丁度いい。
時間があったほうが、メイクもヘアアレンジもしやすいと思うし。
あたしは千尋のベッドに座りながら、これまであったことを全部話した。
ずっと溜め込んでた、ずっと吐き出したかったことが千尋の言えて、すっきりした。
「そうだったんだ」
案外千尋はあっさりしてて、これまであたしが悩んでいたことが、ものすごく小さなことに感じて、何だか自分が馬鹿らしく思えた。
「まぁ、でもやばいのには変わりないよな。その画像、まだあいつが持ってるんだろ?」
「うん」
千尋はクッションを抱え込みながら、あたしを見上げる。
呆れたように溜め息をついて、口を開いた。
「100パーセント、あいつが悪いってわけじゃないのは分かってるんだろ?」
「うん、まぁ」
「そうだよな。だって、未成年が手出していいものじゃない商売に手出してんだから。あっちは、大人だ」
そうだ。あたしだって、多少のトラブルは覚悟の上でこのバイトをしてるんだ。
千尋はなんでも見透かすような目をして、あたしを見た。
「俺は、そんなに深く悩まなくてもいいと思う。ただ、千咲があいつにびびって言いなりになってるようじゃあ、それはあいつの手の平の上で踊らされてるってことだな」
「なんか、毒舌なんだけど」
「知るか、撮られた千咲が悪い」
千尋は眉を寄せてあたしを睨んだ。
何も言えない。