美容師男子×美麗女子
□反逆
□ □ □
上靴に履き替えて、あたしは教室に向かった。
昨日、あんなに派手に学校をさぼったのち、少々教室に入りにくい。
廊下の人混みをかきわけると、人が自然とあたしを避けた。
これが、彰の人気なんだ。
ふとそう思った。
あたしが昨日してしまった不祥事は、学校全体が知っているみたいで、いたるところであたしの話が飛び交っている。
廊下に立っている女子があたしを見ると、声をひそめて話し始めた。
まだ、大丈夫。
まだあたしで居られる。
今日は彰に話をしに来たんだから、こんなのに負けて帰るわけにはいかない。
昨日の夜は意外に仕事が長引いてしまって、あんまり寝られなかった。
寝不足で重たい瞼を必死で開けて、あたしは階段をあがった。
教室に入ると、置き勉していた教科書がまるまる無くなっていた。
いつもならあたしに話しかけてくる友達も、今日は来なかった。
よく使う教科書はいつもカバンのなかに入っているし、隠されたのが副教科の教科書でよかった。