美容師男子×美麗女子


「千咲」


まるで、目を逸らすな、って言うみたいに彰は強く言った。

恐る恐る彰と視線を合わせた。


「要因は、誰?」

「は・・・・・?」

「あの日、俺の指示を飲み込んで、恋人のふりをしたのは誰?」


どきりとした。

千尋も言ってた。100パーセント彰が悪いわけじゃないって。

あたしも悪いんだ。

あたしの意志が弱かったから、こんなことになったんだ。


「でも、」

「でも?」


言葉に詰まる。

今日は正々堂々と言ってやるつもりだったのに、いざ正面に立ってみると、気迫が違う。


「あの画像、広めたかったら広めればいい」


今度は彰が驚いたように目を見開いた。


「あたしは気にしない。それくらいの覚悟がないと、あんなバイトできないから」


本当は怖いのは言わない。

だって、明日からあたしの“最中”の画像が出回って、またあたしにレッテルが貼られるんだ。

本当は怖いけど。

「ヤリマン上等だ。あたしの名誉にしてやる」


今度は彰は笑った。


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