美容師男子×美麗女子
「彰は、いっぱい愛されてるくせに」
「は?」
「彰のこと、本当に好きな子だっているんだよ」
「やだ、千咲がいい」
あたしは耳を疑った。
およそ年上の発言とは思えない。
「あいつのことが好きなんでしょ」
「あいつって誰?」
「千尋くん」
「だから千尋は、」
気付いたら唇を奪われていた。
一瞬で離れる。
「・・・・・・千咲」
耳元の彰の声がくすぐったい。
「・・・何もしないって、言ったじゃん」
「しないって」
強く言うと、彰は苦笑した。
本当に、その気がないのかは分からなかった。
「彰は、愛されてるよ」
「そう?」
彰があたしの肩に顔をうずめた。
自然と、その頭を撫でてしまう。