美容師男子×美麗女子
「ショートの千咲、見てみたいかも」
「絶対似合わないから」
「そうか?」
もう1度ペンをとって、ノートに向き合った。
聞きたい事がきけてすっきりしたのか、千尋も熱心に勉強に励んでいる。
「ねーえ、千尋?」
「なに」
千尋が顔を上げた。
なんともつまらなさそうな顔をしている。
「なんでもない」
「なんだよそれ」
また眉を寄せて、千尋は少し笑って俯いた。
もう、2月だ。
あと少しもしたら、高校3年生。
そしたら将来のことも考えて、自分がどんな道に進むのか決まってくるんだ。
あたしは何になりたいんだろう。
卒業したら、何になるんだろう。
ばん、と机に手を置いた。
半ば強引に、俯いている千尋の頬をつかんで、あたしは鼻先が触れ合う距離で千尋と見つめ合った。
そして、少し視線が絡むと、あたしは千尋にキスをした。
温かい。