美容師男子×美麗女子
「いや…、すっげぇ嫉妬だなって…」
顔が熱くなるのを感じる。こいつ、あたしの本気を馬鹿にしやがって。
「もういい、かえる!!あんたなんか、色んな可愛い子に腰振っときゃいいんだよ!!」
「俺が腰振るのは千咲だけだよ」
「やめろ変態!!そう言うこと言うな!!」
「…」
あたしだけが、あたしだけがこいつに本気だったみたいにはぐらかされて、苛苛する。
恥ずかしいし、苛苛するし、恥ずかしいし。
「アミさんが俺のこと好きなの?」
顔は笑っているままで、あたしを見下ろす。
あたしは黙って頷いた。
「俺が、千咲以外に跪くのが嫌なの?」
それにもあたしは黙って頷いた。
だって、どれも言い尽くしてしまったことなんだ。今さら否定できない。
「あははははは!!まじ、なにそれ」
「笑うな!」
千尋は爆笑しながら、あたしの頭を抱いた。
千尋の硬い胸が鼻にあたって痛い。
「千尋が言えって言うから、言ったんじゃん!」
はぁ、と千尋は息を吐く。
「やっと、捕まえた」
耳元で声がして、背筋がぞくりとする。