美容師男子×美麗女子
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「おう、おはよう」
どん、と肩がぶつかった。
眉を寄せてそいつを見上げる。
今日も真っ黒なセーターに、伸びた黒髪を垂らしているそいつはあたしを見下ろした。
「・・・・・おはよう」
「顔が疲れてんな。なんかあったのか?」
月曜日は憂鬱だ。
日曜日と土曜日に仕事があって、それからすぐに学校に行かないといけない。
だから、毎日月曜日のテンションはこんなかんじ。
「・・・・別に、いつもこんな感じだから」
「ふうん。あ、そ」
ばし、と千尋はあたしの頭を軽く叩いてから、すたすたと歩き去っていってしまった。
ぐしゃぐしゃになった髪の毛を整えながら、あたしは上靴をはく。
あぁ、眠い。学校が昼から始まればいいのに。
あたしは階段をのろのろと上がった。