美容師男子×美麗女子










□ □ □



けたたましい携帯のアラームと共に、あたしは目を覚ます。


目は閉じたまま、枕の真横に置いてある携帯を開く。

もうこんな時間か。


1時に仕事が終わって、7時に起きるのは中々つらい。

でも、学校に遅れちゃうし。


あたしは重たい体を起こした。


「あ・・・・・あーあーあー・・・・・・・」


目をこすると、指が真っ黒。

化粧落すの、忘れてた。


なんてことだ。化粧したまま寝ちゃってたんだ。肌に悪すぎる。


あたしは急いでメイク落としのコットンを手に取る。

雑に肌にこすり付けて、厚く塗り固められたメイクを落していった。


あぁ、今日仕事が入っていなかったのが救いだ。

ぼろぼろの顔でお客さんの前に立ったら、即クビだもの。


黒くなったコットンをゴミ箱に投げ捨てて、ファンデーションを落とし始める。


やばい、時間間に合うかな。

メイクを落すのを忘れていたのは、大誤算だ。



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