美容師男子×美麗女子
ようやくメイクを落とし終わって、私は制服に着替える。
本当はセーラー服がよかったんだけど、うちの近所にある高校はブレザーだ。
中学でもブレザーだったから、セーラー服には憧れてるんだよね。
シャツに袖を通して、短く調節したあたし流の丈のスカートをはいて、ジャケットを羽織った。
髪型を整える。
あぁ、昨日のクセがついちゃってる。最悪。
でももう時間が無いし、変てこな髪型のまま行かないと。
あたしは部屋を飛び出した。
「おはよう!」
「おはよう。朝ごはん、パンかご飯どっちがいい?」
居間に行くと、パートへ出かける準備をする、母の姿。
父は台所の机で朝食を食べている。また新聞読みながら食べてるし。
「うーん、パン!時間ないから」
「あら、今日は肌が荒れてるわねぇ。昨日何時に帰ってきたの?」
「1時。結構早かったでしょ」
「あら、なのになんで肌荒れがひどいのかしら?」
母はかごから食パンを取り出す。
それを受け取って、冷蔵庫からジャムを探した。
「じゃあ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい」
「じゃあ、俺もそろそろ」
父も新聞を持ちながら、ゆっくりと立ち上がる。
あたしはパンをくわえながら、2人を見送った。