美容師男子×美麗女子
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夜7時を回った。
久しぶりにお洒落して、久しぶりに来たショッピング。
お母さんとお姉ちゃんとあたしの、女3人でのショッピングはいつ振りだろう。
「・・・・・・・重い」
「千咲は買いすぎ」
「だって、こんな機会しか買えないじゃん」
お姉ちゃんが、あたしがたくさん持っている紙袋を持ってくれる。
「久しぶりよね、千咲連れて買い物だなんて」
「うんうん、すっごい久しぶり。中学の時もあんまり行かなかったしねぇー。まぁ、千咲は多忙な女の子だもんねぇ」
「ませてるって言うか」
「何よー」
家から少し離れた駅のデパート。
もうすぐクリスマスだから大勢の人で賑わっているけど、そんな人混みも気にならないくらい、楽しい。
「結構買ったわねぇ。千咲、今から私と美咲はあそこの店に行ってくるんだけど、来る?」
「え、今から?!もう帰るのかと思った」
「そうよねぇ、だってあなたもうすぐテストだものねぇ」
「いいよ、あたしは家に帰ってる。こんな荷物持って歩く気力も無いしね」
そう言うと、お母さんとお姉ちゃんは申し訳なさそうに肩をすくめる。
「勉強の邪魔してごめんね」
「いいよ、気にしないで」
お母さんとお姉ちゃんは、それぞれ自分が買ったものを持って、反対方向に歩いていくあたしに手を振った。