美容師男子×美麗女子
今日はすぐにお風呂に入って、すぐに勉強して寝ようと思ってたのに。
勉強から先にしないといけなくなると、お風呂が後。そうなると髪を乾かす時間で睡眠時間が削られてしまう。
それよりも。もっと大変なことが今起こってるんだ。
春樹くんと2人っきりなんだ、この状況は。
どうしよう、どうしよう。喋りかけたいけど、何を話せばいいか分からない。
告白しかねないし、万が一お姉ちゃんの悪口でも出てしまったら大変だ。
だけど、少しでも顔を見ていたい。
こんな機会、滅多に無いんだ。
お姉ちゃんは居ないし、今日だけは春樹くんに笑ってもいい気がするんだ。
自分に素直になれる気がする。
告白はできないけど、春樹くんと会話を楽しむくらいはいいよね。
それくらいの幸せは、あってほしい。
あたしは立ち上がった。
部屋の電気を消して、自分の部屋から出る。
リビングの扉を開けて、勇気を出して声を出した。
「はる・・・・・・・・」
春樹くんはソファで寝ていた。
寝てるのかよ、と内心絶叫してしまう。
勇気振り絞ってたのに。こんなチャンス滅多に無かったのに。
もういいや、仕方無い。今日はこのままお風呂に入って、それで寝よう。
あたしは脱力してお風呂場まで行った。