美容師男子×美麗女子
あたしはお風呂からあがると、髪を拭きながらリビングに出た。
相変わらず春樹くんは爆睡している。
よっぽど今日の仕事が疲れたのかな。
そっとしておいたほうがいいか。
あたしは部屋に戻った。
もうすぐテストだ。今回は期末、範囲が広いから勉強に気合を抜けない。
時間を確認して、あたしは机に向かった。
学校でもらった先生お手製のプリントを解いて、間違えた問題をひたすらやりなおす。
あたしの経験からして、参考書を開いたりするより、これが1番手っ取り早いんだ。
途中、眠すぎて意識が飛びそうになったけど、耳に流れるドラム・ソロで意識が戻る。
だけど、何回か繰り返していると、プレイヤーの充電は切れた。
あたしはそのまま、机に突っ伏してしまう。
おかしいな。今日は10時まで勉強するはずだったのに。
つい、目を閉じてしまう。
「っ」
ずる、と耳にさしていたイヤホンが抜ける感覚で目が覚めた。
「千咲」
その声で、あたしは飛び起きる。
「春樹く、」
ぐしゃ、と濡れたままの髪を根元から掴まれて、ぐい、と春樹くんに引き寄せられる。
そのまま、唇が重なった。
目が合ってしまう。