美容師男子×美麗女子
「・・・・髪、濡れてる」
春樹くんは視線を下に落としながら、今度は目を閉じてあたしにキスをした。
心臓が、跳ね上がった。
そんな色っぽい仕草ひとつひとつに、喜んでしまう。
「・・・・・は、る 」
なんでこんなことするの、と言おうとした言葉は塞がれてしまった。
させられるがままに抱き上げられて、ベッドに落とされる。
あぁ、まずい。
このままじゃ春樹くんに呑まれてしまう。
「千咲」
恐る恐る手を伸ばして、春樹くんの髪に触る。
伸びたままの、黒髪。
あたしが知っている、金髪じゃない。
「・・・・・・・・・や、」
春樹くんの手が、あたしの服の下に潜り込んだ。
声をあげるその瞬間に、春樹くんがキスをするから喋れない。
「春樹くん、だめだって」
なんとか春樹くんを押し返して、言葉を紡ぐ。
春樹くんは不思議そうに首を傾げた。
「・・・・・・・なにが」
「う、わ」
隙をつかれた一瞬のうちに、あたしの上半身は下着だけになってしまった。
春樹くんが、脱がせたあたしの服をベッドの下に捨てた。
あぁ、もう春樹くんが直視できない。