美容師男子×美麗女子
あたしは咳き込んだ。
隣のアキラはそれを見て少し笑って、あたしの頭を撫でた。
「喉、痛い?」
「うん」
「だって、アヤカすごい声出すから」
「・・・アキラ、気持ちよかった」
メイクと髪型を直して、ドレスを着直す。
今は朝の7時だ。
アキラが家まで送ってくれるらしい。
「俺、アヤカとの体の相性がいいかもね」
「あたしも、そう思った」
ごめん、あたしはそう思わないよ。
だって、痛すぎた。
あたしも悪乗りして、いっぱい鳴くんじゃなかった。
アキラは吸っていた煙草を灰皿に押し付けて、立ち上がる。
「アヤカ、行こうか。家、どこの辺?」
「うん」
あたしも立ち上がって、アキラに着いていく。
ドレス、どうしよう。今度お店に出るときに店長に返せばいいか。
「アヤカ」
アキラが立ち止まって、あたしにキスをした。
嬉しそうな顔をしといたけど、吐き出したい気持ちでいっぱいだった。
煙草で苦かった。