出会いの海岸
そういって、車は東へ東へと太平洋を目指して走っていった。途中、ガソリンを入れなくてはいけなくなったので、セルフサービスのガソリンスタンドで満タンにした。もちろん、金は、サンタの財布から抜き取ったものだったが、それにかんしては、誰も問題視はしなかった。ついでに、お菓子や飲み物も調達した。そして、目的地である、出会いの海岸に、サンタを入れた4人は着いたのだった。3人は、海岸に出て、海を見ていたが、サンタはしばらくしてやっと、目が覚めたようだった。多少後頭部に痛みがあったが、それほどでもなかった。いったいここはどこなのかと周りを見回したが、きたこともないところだ。ただ、すぐに、海で話をしながらあそんでいる高校生が目に入ってきた。それを見て、やっと自分に何が起きたのかが分かった。そこにいる一人の女の子に、鞄で殴られる瞬間をきっちり覚えていたのだ。こういったときは、前後の記憶をなくすこともあるが、スローモーションのように後部座席に倒れていく映像が、リプレイされた。とりあえず、車のキーと財布と携帯電話がないことがすぐに分かった。そうなれば、あの連中から取り返すしかない。逃げられては困るとおもったのか、なぜかそっと近づいていこうとした。しかし、それに3人が気づいたが、全然逃げるそぶりもない。美幸は、私が話は付けると、2人には約束していたので、任せることにしていた。とにかく、2人は無理矢理乗せられたということにしてくれればいいとということだった。サンタは、自分を殴った女の子は、すぐに分かったが、しかし、残りの2人は、分からなかったので、共犯かというふうに思った。