仮からはじまる
5
「助けたのが不満だったのか?」
じりじりと寄ってくる結城真一の怖い顔…。
「それとも助けない方がよかったのか?」
あのまま助けてもらわなかったら…。
今頃どうなってたのか…。
考えると恐ろしいわ。
思い出すと寒気がして、思わず身震いする。
「いえ、助けていただいて。ありがとうございました…」
そう思ってるのは本当。
感謝してるのも本当よ。
「ふん」
結城真一には鼻で笑われたけどね。
でもっ!!
だからって!!
付き合うのとは話が別だわっ!!
「ねえ、唯ちゃん?」
それまで黙って話を聞いていた平野篤が、諭すようにあたしを呼ぶ。
困ったような表情で見つめられて、思わず怯んじゃう。
「どうして?シンと付き合うの、嫌なの?」
嫌に決まってるじゃないっ!!
こんな顔の怖い、しかもヤンキーよ!?
いきなり彼女って何それ!!
付き合うって、す、好きな人と付き合うものでしょう?
ほんとは大声で嫌と叫びたいけど…。
さすがに本人を目の前にしてそれはできないわ。
ちらっと結城真一を見ても、相変わらずの怖い顔。
まずはその眉間のしわをやめてよね!!
「ねえ、唯ちゃん?」
何も言わないあたしをじっと見つめる平野篤。
その柔和な態度には従わないわよ?
「きゅ、急に言われても困るから…」
やっぱりうまく話せない。
「か、監視とか、そんなことされなくても、人に話したりしないわ」
っていうか言う人もいないしね。
あたし学校で友だちとか別に話す人いないし。
友だちいないとか自分で言っちゃって悲しくならなくもないけど…。
「シンは唯ちゃんが心配なんだよ」
は、はぁあああー!?
何で結城真一が…
あっ、あたしの心配を?
「おいっ」
動揺したように平野篤に向き直る結城真一…
どうして結城真一が動揺するのよ?
「さっきみたいな集団に襲われそうになったら、また怖いでしょ?」
た、確かに怖いけど…。
あの集団の中で、このふたりとあたしは仲間だと思われてて。
もしかしたら、また何かあるかもしれないわ…。
じりじりと寄ってくる結城真一の怖い顔…。
「それとも助けない方がよかったのか?」
あのまま助けてもらわなかったら…。
今頃どうなってたのか…。
考えると恐ろしいわ。
思い出すと寒気がして、思わず身震いする。
「いえ、助けていただいて。ありがとうございました…」
そう思ってるのは本当。
感謝してるのも本当よ。
「ふん」
結城真一には鼻で笑われたけどね。
でもっ!!
だからって!!
付き合うのとは話が別だわっ!!
「ねえ、唯ちゃん?」
それまで黙って話を聞いていた平野篤が、諭すようにあたしを呼ぶ。
困ったような表情で見つめられて、思わず怯んじゃう。
「どうして?シンと付き合うの、嫌なの?」
嫌に決まってるじゃないっ!!
こんな顔の怖い、しかもヤンキーよ!?
いきなり彼女って何それ!!
付き合うって、す、好きな人と付き合うものでしょう?
ほんとは大声で嫌と叫びたいけど…。
さすがに本人を目の前にしてそれはできないわ。
ちらっと結城真一を見ても、相変わらずの怖い顔。
まずはその眉間のしわをやめてよね!!
「ねえ、唯ちゃん?」
何も言わないあたしをじっと見つめる平野篤。
その柔和な態度には従わないわよ?
「きゅ、急に言われても困るから…」
やっぱりうまく話せない。
「か、監視とか、そんなことされなくても、人に話したりしないわ」
っていうか言う人もいないしね。
あたし学校で友だちとか別に話す人いないし。
友だちいないとか自分で言っちゃって悲しくならなくもないけど…。
「シンは唯ちゃんが心配なんだよ」
は、はぁあああー!?
何で結城真一が…
あっ、あたしの心配を?
「おいっ」
動揺したように平野篤に向き直る結城真一…
どうして結城真一が動揺するのよ?
「さっきみたいな集団に襲われそうになったら、また怖いでしょ?」
た、確かに怖いけど…。
あの集団の中で、このふたりとあたしは仲間だと思われてて。
もしかしたら、また何かあるかもしれないわ…。