仮からはじまる
第六章
1
その日の帰り、たまたま通りがかった先生に用事を言われたあたしは、再びまたあの資料室に向かってたの。
授業で使った天井から吊り下げるタイプの世界地図を返しに来たんだけど、これがけっこう重くて、めげそうになる…。
だいたい、こういうのは日直の仕事でしょ?
誰よ、さっさと帰った人は!!
資料室の前まで来て、昼休みの出来事を思い出しちゃって、また急に恥ずかしいことまで思い出す。
ああ、もう、どうしたらいいの?
ひとりで思い出してもやもやして、ほんと救われないわ…。
なんて考えてたら
「あ、唯ちゃんだー」
突然呼ばれて。
肩がびくっとするほど驚く。
もう、敏感になりすぎなのよ。
自分で自分が嫌になるわ…。
でも、呼ばれて振り返ると。
急に気が重くなる。
そこにはあの、あのヤンキーの集団の人たちがいたから。
もう嫌…。
どうしてこんなところで会うの?
「唯ちゃん、何してるの?」
「ひまなら今から遊びに行かない?」
行くわけないでしょっ!!
じりじり囲まれて、逃げ場がない。
走って逃げても突破できるとは思えないし。
しかもあたし、世界地図持ってたわ。
まず片付けないと…
これどうしたらいいの?
こんなときまで真面目に考えちゃって。
「この間は結城と逃げちゃったじゃん?」
「どうして逃げたの?」
「しかも結城なんかに助けを求めてさ」
結城なんか、って、どういうことよ!!
この人たちよりよっぽどましだわっ!!
こんな人たちに囲まれて、逃げたいと思うのは当然でしょ?
ああ、もう…。
この前と同じ状況だわ…。
前は結城真一と平野篤が助けてくれたのよね…。
あ、結城真一に助けを求める?
でも、どうやって?
多分きっともうとっくに帰ってると思うし。
しかも助けて欲しくて呼び出すなんて、そんなっ!!
あたし何様よ?
誰か偶然通りかからないかしら…
でもこんな放課後にこんなところ、誰も通らないわよね?
廊下を歩いてる人なんて全然見えないしっ!!
このままどうしたらいいの?
ていうか、あたしどうなるの?
腕を掴まれて引っ張られて。
力をこめて必死に抵抗しても、あんまり効果なし。
あっさりとバランスを崩してさらに引き寄せられる。
ぎゃ、ぎゃぁああー!!
もう嫌っ!!
誰か助けてっ!!
授業で使った天井から吊り下げるタイプの世界地図を返しに来たんだけど、これがけっこう重くて、めげそうになる…。
だいたい、こういうのは日直の仕事でしょ?
誰よ、さっさと帰った人は!!
資料室の前まで来て、昼休みの出来事を思い出しちゃって、また急に恥ずかしいことまで思い出す。
ああ、もう、どうしたらいいの?
ひとりで思い出してもやもやして、ほんと救われないわ…。
なんて考えてたら
「あ、唯ちゃんだー」
突然呼ばれて。
肩がびくっとするほど驚く。
もう、敏感になりすぎなのよ。
自分で自分が嫌になるわ…。
でも、呼ばれて振り返ると。
急に気が重くなる。
そこにはあの、あのヤンキーの集団の人たちがいたから。
もう嫌…。
どうしてこんなところで会うの?
「唯ちゃん、何してるの?」
「ひまなら今から遊びに行かない?」
行くわけないでしょっ!!
じりじり囲まれて、逃げ場がない。
走って逃げても突破できるとは思えないし。
しかもあたし、世界地図持ってたわ。
まず片付けないと…
これどうしたらいいの?
こんなときまで真面目に考えちゃって。
「この間は結城と逃げちゃったじゃん?」
「どうして逃げたの?」
「しかも結城なんかに助けを求めてさ」
結城なんか、って、どういうことよ!!
この人たちよりよっぽどましだわっ!!
こんな人たちに囲まれて、逃げたいと思うのは当然でしょ?
ああ、もう…。
この前と同じ状況だわ…。
前は結城真一と平野篤が助けてくれたのよね…。
あ、結城真一に助けを求める?
でも、どうやって?
多分きっともうとっくに帰ってると思うし。
しかも助けて欲しくて呼び出すなんて、そんなっ!!
あたし何様よ?
誰か偶然通りかからないかしら…
でもこんな放課後にこんなところ、誰も通らないわよね?
廊下を歩いてる人なんて全然見えないしっ!!
このままどうしたらいいの?
ていうか、あたしどうなるの?
腕を掴まれて引っ張られて。
力をこめて必死に抵抗しても、あんまり効果なし。
あっさりとバランスを崩してさらに引き寄せられる。
ぎゃ、ぎゃぁああー!!
もう嫌っ!!
誰か助けてっ!!