仮からはじまる
2
「おいっ」
急に鋭い怒鳴り声が聞こえて、集団の動きが止まる。
もっ、もしや、この声は!!
「てめーら何してやがる?」
やっ…
やっぱり!!
結城真一!!
ただでさえ目つきが悪いのに、さらに怖い顔してるー!!
あたしを取り囲む集団を睨みつけるその表情の怖さったら…。
「あ、俺もいるよーん」
ひょいと顔を出した平野篤が、また場違いな間延びしたのんびり口調で言う。
今はそんな雰囲気じゃないのよっ!!
わかるでしょっ!!
「そいつから手を離せよ」
そいつって、あたしのことよね?
結城真一が言うと、掴まれてたあたしの手があっさり離された。
いつも思うけど…。
結城真一の言葉って力があるのね…。
結城真一が集団の中に割り込むと、あたしを背中に隠すように立つ。
「てめーはこの間からなんなんだよ。邪魔するな」
う…。
この人、二年生だわ…。
上履きの色が違うから、すぐにわかるのよ。
「邪魔なのはてめーらだろ」
結城真一は二年生に対しても口調が全然変わらないの。
険悪な雰囲気で居た堪れない気持ちにでいっぱいだけど。
でも、あれ?
これって、あたしのせいでけんかになってるのよね?
い、いやー!!
もう、なんでこうなるの!?
「こいつは俺の女だ、手だしてんじゃねえよ」
結城真一の思いがけない言葉…。
集団全員が驚いた表情だけど、それはあたしも同じよっ!!
突然何を言い出すかと思えばっ!!
どうして今ここでそれを言うのー!?
「こいつが、結城の、女?」
集団がお互い顔を見合わせてざわざわと離れる。
結城真一とあたしの顔を交互に見て、何か話してるみたいだけどよく聞こえない。
「こいつに手だししたら、そんときは…」
そのときは…?
最後まで言わないのが余計に怖いじゃないっ!!
「ふん、知るかよっ」
言いながら集団の男たちはぞろぞろと離れて行った。
急に鋭い怒鳴り声が聞こえて、集団の動きが止まる。
もっ、もしや、この声は!!
「てめーら何してやがる?」
やっ…
やっぱり!!
結城真一!!
ただでさえ目つきが悪いのに、さらに怖い顔してるー!!
あたしを取り囲む集団を睨みつけるその表情の怖さったら…。
「あ、俺もいるよーん」
ひょいと顔を出した平野篤が、また場違いな間延びしたのんびり口調で言う。
今はそんな雰囲気じゃないのよっ!!
わかるでしょっ!!
「そいつから手を離せよ」
そいつって、あたしのことよね?
結城真一が言うと、掴まれてたあたしの手があっさり離された。
いつも思うけど…。
結城真一の言葉って力があるのね…。
結城真一が集団の中に割り込むと、あたしを背中に隠すように立つ。
「てめーはこの間からなんなんだよ。邪魔するな」
う…。
この人、二年生だわ…。
上履きの色が違うから、すぐにわかるのよ。
「邪魔なのはてめーらだろ」
結城真一は二年生に対しても口調が全然変わらないの。
険悪な雰囲気で居た堪れない気持ちにでいっぱいだけど。
でも、あれ?
これって、あたしのせいでけんかになってるのよね?
い、いやー!!
もう、なんでこうなるの!?
「こいつは俺の女だ、手だしてんじゃねえよ」
結城真一の思いがけない言葉…。
集団全員が驚いた表情だけど、それはあたしも同じよっ!!
突然何を言い出すかと思えばっ!!
どうして今ここでそれを言うのー!?
「こいつが、結城の、女?」
集団がお互い顔を見合わせてざわざわと離れる。
結城真一とあたしの顔を交互に見て、何か話してるみたいだけどよく聞こえない。
「こいつに手だししたら、そんときは…」
そのときは…?
最後まで言わないのが余計に怖いじゃないっ!!
「ふん、知るかよっ」
言いながら集団の男たちはぞろぞろと離れて行った。