仮からはじまる
6
「う、うん…」
首を縦に振るしかないの…。
「そうなの?」
今度はともちゃんに聞かれて。
「う、うん…」
でも、同じことしか言えないし…。
「御崎さん、結城くんのこと、全然知らないって言ってたのに…」
それを聞いた結城真一に、さらに睨まれたのに気付いて。
あたしはますます縮こまる。
ああ、もう…。
本当のことなんだけど…。
それを結城真一の前では言ってほしくなかったわ…。
「それは、そうなんだけど…」
実際、結城真一のことなんて本当に何も知らないんだから。
「そうなの?」
平野篤にまで言われちゃうし…。
「今はまだ何も知らないけど…」
でも、それじゃ納得してもらえないわよね?
「でも、これから知っていきたいと思ってるの…」
だからそれで許してっ!!
「ふうん?」
結城真一の声に顔をあげると、意地悪そうに笑いながら、からかうようにこっちを見てるっ!!
もうもう、何よ!!
どうしてよ!!
「結城くんが笑ってる…」
呟くようにともちゃんが言ったのが聞こえた。
笑顔っていうか、ただの意地悪な顔だけどね?
「笑うなんてありえない…」
ともちゃんに相槌をうつようなあきなちゃんの言葉が引っ掛かる。
「笑うわよ?結城真一だって楽しかったら笑うわ」
「だって、さっきまであんなに怖い顔だったのに」
う…。確かに…。
それはそうなんだけど…。
でも。
「怖いだけの人じゃないわ。だから、笑うなんてありえない、なんて言わないで」
ムキになって言い過ぎたかしら…。
あきなちゃんもむっとしてるみたい。
でっ、でもでも!!
笑うなんてありえないなんて、言い過ぎよ!!
「もういいよ…」
ともちゃんが言っても、あきなちゃんは納得できないみたいだったけど。
「もういいから…」
必死に言うともちゃんに、しぶしぶ納得したみたい。
歩き出したふたりの背中を見つめながら、急に疲れて力が抜ける。
首を縦に振るしかないの…。
「そうなの?」
今度はともちゃんに聞かれて。
「う、うん…」
でも、同じことしか言えないし…。
「御崎さん、結城くんのこと、全然知らないって言ってたのに…」
それを聞いた結城真一に、さらに睨まれたのに気付いて。
あたしはますます縮こまる。
ああ、もう…。
本当のことなんだけど…。
それを結城真一の前では言ってほしくなかったわ…。
「それは、そうなんだけど…」
実際、結城真一のことなんて本当に何も知らないんだから。
「そうなの?」
平野篤にまで言われちゃうし…。
「今はまだ何も知らないけど…」
でも、それじゃ納得してもらえないわよね?
「でも、これから知っていきたいと思ってるの…」
だからそれで許してっ!!
「ふうん?」
結城真一の声に顔をあげると、意地悪そうに笑いながら、からかうようにこっちを見てるっ!!
もうもう、何よ!!
どうしてよ!!
「結城くんが笑ってる…」
呟くようにともちゃんが言ったのが聞こえた。
笑顔っていうか、ただの意地悪な顔だけどね?
「笑うなんてありえない…」
ともちゃんに相槌をうつようなあきなちゃんの言葉が引っ掛かる。
「笑うわよ?結城真一だって楽しかったら笑うわ」
「だって、さっきまであんなに怖い顔だったのに」
う…。確かに…。
それはそうなんだけど…。
でも。
「怖いだけの人じゃないわ。だから、笑うなんてありえない、なんて言わないで」
ムキになって言い過ぎたかしら…。
あきなちゃんもむっとしてるみたい。
でっ、でもでも!!
笑うなんてありえないなんて、言い過ぎよ!!
「もういいよ…」
ともちゃんが言っても、あきなちゃんは納得できないみたいだったけど。
「もういいから…」
必死に言うともちゃんに、しぶしぶ納得したみたい。
歩き出したふたりの背中を見つめながら、急に疲れて力が抜ける。