仮からはじまる
4
あ、結城真一、ちょっと笑ってるわ。
だから、そうやって笑ったらいいのよもっと。
さっきまであんなに怖い顔だったのに。
ちょっと笑うだけで、こんなにも嬉しい気持ちになるの。
結城真一の笑顔は優しくて安心するし、落ち着くから。
貴重な笑顔をじっと見つめる。
「なんだよ?」
見てたのに気付かれて、不機嫌そうに言われちゃった。
「いいじゃない、もっと笑ってよ」
「ふん…」
あ、仏頂面に戻っちゃった…。
もったいない。
相変わらず平野篤はにこにこして、見習ったらいいのよ。
「じゃ、帰りな」
そう言って仏頂面のまま教室に向かって歩き出す。
その背中を見送りながら、平野篤に
「唯ちゃんはシンが怖くないの?」
不思議そうに聞かれた。
確かに、さっきの結城真一は怖かったわね…。
「怖くないわよ、最初は怖かったけど。本当は心配してくれて優しいのがわかるから」
「そうなんだー」
終始にこにこしながら言われる。
あたし、何かおもしろいことでも言った?
「シンと唯ちゃん、仲良しだねー?」
はっ…
はぁあああー?
結城真一と、あたしが、仲良し?
なっ、なんでそうなるのよ!?
「な、なんで?」
「そう思ったから」
理由を聞こうとしても
「早く教室行かなきゃ、授業始まっちゃうよ」
はぐらかされちゃって。
どうして結城真一とあたしが仲良しなんて思ったのかしら…。
だから、そうやって笑ったらいいのよもっと。
さっきまであんなに怖い顔だったのに。
ちょっと笑うだけで、こんなにも嬉しい気持ちになるの。
結城真一の笑顔は優しくて安心するし、落ち着くから。
貴重な笑顔をじっと見つめる。
「なんだよ?」
見てたのに気付かれて、不機嫌そうに言われちゃった。
「いいじゃない、もっと笑ってよ」
「ふん…」
あ、仏頂面に戻っちゃった…。
もったいない。
相変わらず平野篤はにこにこして、見習ったらいいのよ。
「じゃ、帰りな」
そう言って仏頂面のまま教室に向かって歩き出す。
その背中を見送りながら、平野篤に
「唯ちゃんはシンが怖くないの?」
不思議そうに聞かれた。
確かに、さっきの結城真一は怖かったわね…。
「怖くないわよ、最初は怖かったけど。本当は心配してくれて優しいのがわかるから」
「そうなんだー」
終始にこにこしながら言われる。
あたし、何かおもしろいことでも言った?
「シンと唯ちゃん、仲良しだねー?」
はっ…
はぁあああー?
結城真一と、あたしが、仲良し?
なっ、なんでそうなるのよ!?
「な、なんで?」
「そう思ったから」
理由を聞こうとしても
「早く教室行かなきゃ、授業始まっちゃうよ」
はぐらかされちゃって。
どうして結城真一とあたしが仲良しなんて思ったのかしら…。