初恋草
「...好き。」
面と向かって言うのが恥ずかしくて、あたしは小声で言った。
でも斎藤はいじわるだから...
わざとわかってて、あたしに命令するんだ...。
「聞こえないなぁ。
もっと大きな声で言えよ...?」
そして、あたしも斎藤の低く囁く甘い声に逆らえない...。
「好き...だよ...」
恥ずかしかったけれど、あたしは斎藤の方に振り返った。
だけど、やっぱり面と向かって言うのは恥ずかしくて...
あたしは斎藤に耳打ちしたのだった。