初恋草
「ん...っ!
ちょ...ん...っさ、斎藤...ふ...ぅ...待っ...」
「斎藤じゃない。純夜。
呼んだら、止めてやる」
そんなの...っ!
酸欠になりかけつつ、あたしは斎藤が待っている言葉を告げた。
「...純...っ夜、もうダメ...っ」
ピタッと斎藤の動きが止まり、上体を起こした。
これでもかなり、視界が晴れる。
「はぁ...はぁ...」
起き上がる気力もなく、寝転んだまま息を整える。
あたしの額には汗がにじんでいた。