初恋草
息も整え、ふと斎藤を見ると、何とも言い難い顔つき。
「...悪りぃ、調子乗りすぎた」
汗でにじんだあたしの前髪をはらってくれる。
なんで、そんな悲しそうな顔をするんだろう。
無理矢理のようにキスして、謝る顔にしてはあまりにも悲痛な顔だった。
元から、怒るつもりなんてなかったし。
あたしだって、一応女の子だよ?
好きな人からキスとか抱きしめてもらえるとか幸せじゃん。
男みたいな性格だけどね。