初恋草




だいたい、コイツこんなキャラじゃないでしょ……。



気になったあたしは、ヤツに聞いてみることにした。





「あのさ……なんでアンタ学校とキャラ違うの?」


「なに?俺のこと知りたいの?
大胆だね~」

「ちっが!ただ、気になっただけだよ」


てっきり教えてくれると思ったのに……


斎藤は教えてくれなかった。


ただ……



「…知らない方がいい。
きっと、幻滅するだろうから」





そう言ったとき、斎藤の目には、まるで何も映っていないような目をしていた。



そう。




あたしが屋上に連れて行った時に吹いたあの風の間から見た瞳のように。



哀しそうな目をしてたんだ――……。


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