青のキセキ
次の日の朝。
目が覚め、隣のベッドを見ると、綾がまだ寝ていた。
時計で時間を確認する。午前7時。
ベッドから身体を起こし、1階の台所へ行き、コーヒーを入れようとしたが、美空と飲んだ紅茶のことを思い出し、紅茶のティーパックを探す。
コーヒーの横にあったティーパックで紅茶を入れ、椅子に座って飲んでいると、綾が起きてきた。
「おはよう、大和」
「あ、あぁ」
「あら。珍しいわね。あなたが紅茶を飲むなんて」
「...たまにはな」
綾がパンを焼き、朝食を作っている間、俺は昨夜の事を思い出していた。
美空の唇の感触、美空の匂い、肌のぬくもり、甘い吐息。
目に浮かぶのはアイツのことばかり。
目の前で俺のために朝食を作る妻がいるのに、他の女ことを考えてる俺。
明日から、ただの上司と部下に戻れるのか?
そう思ったとき、綾が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ねぇ!大和、大和!聞いてるの?」