青のキセキ
店に戻ると、翔のにやけた顔が目に入った。
やっぱりな...。
こいつ、俺達を嵌めたな。
翔には俺の気持ちを知られてたし、美空の気持ちも知ってたってことか。
まぁ、翔に石川が美空に告白したことを聞かなければ、美空との関係も変わることはなかったかもしれない。
そういう意味では、翔に感謝するべきか...。
なんて考えていると、翔に綾と別れろと言われた。
美空とのこれからを考えると、綾とは別れることが前提になる。
綾と離婚せずに、美空と付き合うことは許されないこと。
『不倫』なんて、不毛な関係に美空を巻き込むつもりはない。
さっき翔にも言ったように、今の俺には、綾よりも美空のほうが大切な存在なんだ。
綾には悪いが、美空との未来を考えたいと思った。
そんなとき、美空が言ったことが気になった。
『幸せになっちゃいけない』
何故?一体、お前は何を抱えてるんだ?
すると、美空が過去について話し始めた。
俺が知りたくてたまらなかったことを...。