青のキセキ
そして、明らかになる綾の嘘。
浮気相手がナンパされた相手だと信じていた。
翔の話を聞くまでは...。
スポーツジムのインストラクター?
それも、近所のジムじゃなく、わざわざこっちの方まで出てきてたってことか。
何だ、それ。全然話がちがうだろうが。
俺が綾とやり直すことを決めたせいで、翔は俺にそのことを言えなかったのか。
綾のことはともかく、俺のことを心配してくれた翔には申し訳ないことをした。
翔に聞かれた、綾とそのインストラクターが続いている可能性。
単身赴任から戻ってからは、ずっと週末婚状態がつづいていたし、翔の結婚式の日に喧嘩してからは、家にもほとんど戻ってない。厳密に言えば、一度しか帰ってない。
こっちに帰ってきてからは、こどもの話ばっかりで。
綾とやり直すことを決めたはずなのに、溝は埋まらないまま。
美空に心奪われてからは、綾の生活に無関心になっていたのが本当のところだ。
確かに、嘘を吐いた綾には腹が立つ。しかし、だから、正直、綾の嘘を知り、言うほどショックを受けていない自分がいた。
翔に正直に答える。
綾が浮気相手と続いているがどうかなんてわからない。
そして、美空の一言。
綾が俺を愛している、と。
だから俺が綾を突き放せないのだと。
美空。お前はどうして....。
プライドの高い女だから表だって口にすることは少ないが、綾が俺を愛してくれていることはわかってるつもりだ。
離婚するにしろ、綾に納得してもらいたいと思ってる。綾を傷付けることに変わりはないが、美空に対して何かをしでかす可能性もあるから、慎重に事を進めたい。
俺が傷付くのは構わない。
でも、美空が必要以上に傷付くことは避けたい。
タイミングを見計らって、綾には正直に話す。
そう決めた。