青のキセキ
決め事
課長と一緒の電車に乗るようになって、2週間。
毎朝、課長と手を繋ぐ7分間。
時が経つにつれ、課長に対する気持ちも強くなって。
朝、課長と手を繋ぐ度に、もっともっと課長と触れ合いたくて。
日が経つごとに幸せも大きくなって。
綾さんには、申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、どうしても課長と一緒に居たくて。
この2週間の間、企画部の仕事が忙しくて二人っきりで会うことは出来なかった。
でも、2、3回『翔』に食事&飲みに行ったりはした。
そして、毎晩の電話。どちらからともなく、寝る前のゆっくりした時間に話す、貴重な時間。
その時に決めた、二人のルール。
まず、呼び方は今まで通り、『課長』と『美空』。
課長との関係が始まって、数日経った時、
『いつまで俺のことを“課長”って呼ぶつもり?』って課長に言われて考えた。
課長のことを『大和さん』とか、私のことを『遥菜』なんて呼び合ったりすることに慣れてしまったら、会社でも、つい口にしてしまうことがあるかもしれないと。
だから、今まで通りにして欲しいと私がお願いした。
それから、電話やメールの履歴はすぐに削除すること。
私との連絡用に携帯をもう一台持とうかと言った課長。でも、会社用の携帯にプライベート用のスマホの2台を既に持つ課長。
もし、もう一台契約したことを、綾さんに知られたら?言ったり見られたりしなきゃ知られることはないかもしれないけれど、もしマンションで請求書とか見られたりしたら困る...。そう思って、結局今の2台のままでいくことにした。
会社用の携帯は、請求も明細も会社宛になっていて、発信履歴などの詳細が載っているかどうかは不明。だから、念のため、課長のプライベート用のスマホに連絡することになった。
どこで誰に見られるかも分からないので、お互いに履歴を削除することに決めた。