青のキセキ
「ありがとうございます。すごく嬉しいです」
時計の入った箱を胸に、課長にお礼を言う。
「気に入ってくれてよかった。美空の嬉しそうな顔が見れて、俺も嬉しいよ」
さりげなく、柔らかな笑みをこぼす課長が素敵すぎて。
「さ、明日も早いし、そろそろ帰るか」
「はい」
割り勘で...と言うのに、課長が自分で払うと譲らなくて、結局いつもご馳走になってばかり。
「課長、たまには私にも払わせてください」
タクシーを拾うために大通りまで歩いているときに課長に言ってみた。
「お前に払わせるつもりはない」
「でも...」
「....あー、お前だけに言っておくけど...」
前髪を後ろに掻き上げて課長が言ったこと。
それは......。