青のキセキ
【大和side】
毎朝、美空と通勤するだけで、一日がこんなにも楽しくなるなんて。
今までは、満員電車が苦痛だった。
会社まで、たったの3駅。会社はオフィス街にあるため、コインパーキングが近くにあるぐらいで、電車通勤にしたんだが。
かといって、この満員電車にいつまで耐えられるか...。いっそのこと、駐車場代がいくらかかっても構わないから、車通勤にしようか...とここ数日考えていたのに。
まさか、朝の電車タイムが毎日こんなにも待ち遠しくなるなんて、自分でも信じられない。
美空の華奢な体が押し潰されないように。
他の男に触られないように。
出来る限り庇いながら、誰にも見られないように、手を繋ぐ。
こうして美空と触れ合う毎日。
正直、もっと美空と二人の時間が欲しいと思う。
しかし、仕事が忙しくて、なかなか時間が取れないのが現状だ。
食事には2~3度行ったか。
そして、毎晩の電話。
平日は毎日顔を合わせ会話もしているのに、電話の声にでさえ気持ちが昂る。