青のキセキ
出発
――――翌日。土曜日の朝。
課長がいつ来ても大丈夫なように、早く起きて準備をする。
課長に頼まれた書類を始め、荷物は前もって用意しておいた。
泊りがけといっても、一泊だから、そんなに荷物は多くなるはずがないのに...。
何で?
ボストンバッグはパンパンに膨れ上がっている。
洋服に下着、化粧品、その他諸々。
不必要な物は、一切入っていない......はず...。
財布や書類等は、ボストンバッグとは別のバッグに入れてるのに。
「.....。ま、いっか」
気にしない、気にしない。
そんなことよりも...。
課長と二人。泊りがけの出張。
元彼と別れてから、男の人と、そういう関係になったことは一度もないから、この状況にかなりドキドキしていることは事実。
この出張中にそうなることはないとは思うけれど、何があるか分からないから。
念のため、下着は新しいものを購入。
バラの刺繍が施されたピンクのブラジャーと、お揃いのショーツ。
――――――――。
なんか、期待してるっぽくて恥ずかしいかも.....。
~~~~♪♪
そんなことを考えてるときに、携帯のメール着信を知らせる音楽が突然聞こえ、ビクッと驚いた。
この着信音は課長だ。
『今から家を出る。20分ぐらいで着くと思うから、表で待ってて』
慌ててベッド横に置いてある姿見の前に立ち、全身を映して、変なところがないかチェックする。
「これでいいかな」
鏡に映る自分に話しかけて、緊張を解す。
一番の目的は、九州支社で行われる会議。
課長の足手まといにならないように、頑張らなきゃ!!
「よし!」
頬をパンと軽く叩き、気合を入れて。
ガスや戸締りを確認して部屋を出た。