青のキセキ
【大和side】
土曜日の朝――――。
前日の夜に用意しておいた小さめのボストンを持ち、家を出る。
マンションの地下にある駐車場に行き、車に乗る。
ふうっと溜息。
ついに出張当日。
愛しい女と一緒の時を過ごすことに、緊張しつつも気持ちが昂る。
いくら仕事とはいえ、一泊二日の旅。
大丈夫か?俺。
理性を保つことが出来るのか?
なんて考えている自分に気付き、失笑する。
「はっ、情けない....。ガキじゃあるまいし」
緊張を解すかのように首を左右に倒し、ルームミラーを見る。
家を出る直前、美空にメールを入れた。
この時間なら、美空の家までは20分もあれば着くはず。
大きく深呼吸をして、キーを回し、エンジンをかけた。