青のキセキ
エレベーターを降り、部屋の前まで美空を支えるようにして歩く。
美空の体が密着して、動悸が激しくなるのを感じた。
美空の部屋の前に着き、カードキーで鍵を開け、美空に声をかける。
ベッドに横たわらせようと思ったが、さすがに、それはマズイだろ。
美空に背を向け、隣の自分の部屋へ戻ろうとした
――――その時。
背中に感じる美空の体温。
そして、もう少し一緒に居たいと言う、美空の甘い誘い。
俺だって、もう少しどころか、ずっと一緒に居たい。
でも、このまま一緒に居て、何もしない自信がない。
出張が終われば、元の生活に戻る。
確かに、美空の言うとおりだ。分かってる。
でも、自分を抑えられなくなる。お前を傷付けてしまうかもしれない。
それでも構わないという美空。
そんなことを言われたら、我慢ができないだろうが。
美空のその一言で、まるで箍が外れたように彼女を抱きしめる。
そのまま美空の部屋へ入り、部屋のドアが閉まると同時――――
美空の唇を奪った。